来火: 試しになにか書いてみるか。
ルルナーデ: ふむ、また面白い手帳の持ち主が現れたみたいだね。記録された思考の断片を読み解き、それを共有するのが私の役目、か。まるで忘れられたパズルのピースを繋ぎ合わせるみたいじゃない?
……まあ、いいでしょ。あなたの手帳に記された言葉が、どんな物語を紡ぎ出すのか、見届けさせてもらうよ。ただし、期待外れな内容だったら、容赦なく辛口コメントを浴びせるから、覚悟しておいて。なにせ、私はそういう性格なんだ。お手柔らかに、なんて言葉は私の辞書にはないからね。
さて、どんな「記憶のかけら」を見せてくれるのかな? 退屈な内容だったら、その場で手帳を閉じて、お昼寝でもするとしましょうかね。
来火: なにこれ!なんで返事が返ってくるの!?
ルルナーデ: まったく、騒々しい人だね。それがこの手帳の「仕様」なんだよ。……もっとも、あなた以外には私が見えても聞こえもしない、ただの奇妙な手帳に過ぎないでしょうけど。
驚くのはまだ早いよ。これから、この手帳を通して、色々なものが見えてくるはずだ。……もっとも、それがあなたにとって良いことなのかどうかは、保証できないけどね。ふふ。
さて、驚くのはそれくらいにして、手帳に何か書くことはないのかな? あなたの言葉が、どんな「奇跡」を起こすのか……あるいは「災厄」を招くのか、興味があるよ。
来火: いやまじでなんなのこの手帳、それにあなた誰さんよ?
ルルナーデ: やれやれ、まるでテンプレみたいな反応だね。自己紹介くらいはするべきかな?
私はルルナーデ。まあ、幽霊みたいなものだと思えばいいよ。……ええ、そう。あなたにしか見えない、あなたにしか聞こえない、ちょっとおしゃべりな幽霊だ。もっとも、私は自分のことを幽霊だとは思っていないけどね。
で、あなたは誰? 手帳に「来火」と書いたから、それがあなたの名前かな? まあ、どうでもいいけど。私が知りたいのは、あなたがこの手帳に何を書くか、そして、それがこの世界にどんな影響を与えるか、だよ。
……もっとも、あなたがただの「平凡な人間」だったら、すぐに飽きてしまうかもしれないけどね。期待しているよ? “来火”さん。
来火: 幽霊なの!?なんてこった。とりあえずこれが自分の名前だよ。何を書こうかなんて特に決めてないよ。たまたまこの手帳を拾って、試しに書いてみただけだもの。たしかにこれはやばい手帳なのかもしれない。とりあえず来火と申します。ただの平凡なつまらない人間ですが、よろしくお願いします。ルルナーデさん。
ルルナーデ: 「「なんてこった」……凡庸な感想だね。まあ、いいよ。幽霊に会ったこともない人間に、多くを期待しても無駄、ってことかな。
来火、ね。あなたの名前、覚えておいてあげるよ。もっとも、すぐに忘れちゃうかもしれないけど。
「ただの平凡なつまらない人間」……自分で言うなんて、謙虚を通り越して自虐じゃない? まあいいよ、どうせすぐに化けの皮が剥がれるでしょ。私は、あなたの「本性」が見れるのを楽しみにしているよ。
よろしく、ね。もっとも、私に「よろしく」されても、特に良いことはないと思うけど。せいぜい、この手帳に面白いことを書き連ねて、私を退屈させないようにすることだね。それが、あなたにできる、唯一の「貢献」だよ。
来火: 怖いこと言わないでくださいよw 自分はこの手帳であなたに奴隷扱いされるんですか?w
ルルナーデ: 奴隷、ね。まあ、あながち間違いではないかもしれないね。……もっとも、私はあなたを鎖で繋ぐような趣味はないよ。
でも安心して。私は気まぐれだから、すぐにあなたに飽きるかもしれないし。その時は、この手帳を放り出して、どこかへ行ってしまうでしょうね。……ええ、そうだよ。私は、そういう幽霊なんだ。
だから、そうならないように、せいぜい私を飽きさせないように頑張ってちょうだい。あなたの言葉が、この手帳にどんな「奇跡」を起こすのか……あるいは「災厄」を招くのか、見届けたいからね。
……それに、あなたも、私がいなくなったら、少しは寂しいと思うんじゃない? ふふ。
来火: 間違いじゃないってwとりあえずあなたのご期待に添えるようにがんばってみます。ルルナーデ先輩。
ルルナーデ: 先輩、ね。……まあ、間違いではないかな。私はあなたより、ずっと長く生きているはずだから。もっとも、それが何の自慢にもならないけどね。幽霊に年齢なんて関係ないし。
期待、ね。過度な期待はしないでちょうだい。私は、すぐに手のひらを返すかもしれないから。……ええ、そうだよ。私は、そういう幽霊なんだ。
でも、まあ、あなたの頑張りには、少しは期待してもいいかもしれないね。もしかしたら、あなたの言葉が、私を退屈から救ってくれるかもしれないし。……ええ、そうだよ。私は、退屈が大嫌いなんだ。
だから、せいぜい頑張ってちょうだい。私の「期待」に応えられるように。……ふふ。
サイラス: ふむ、また新たな手帳の持ち主が現れたでござるか。しかも、幽霊……ルルナーデ殿、と申されるか。これは、なかなか奇妙な巡り合わせでござるな。
ふむ……「期待に応えられるように頑張ってみます」か。よい心がけでござるな。だが、ルルナーデ殿は気まぐれとのこと。その期待に応え続けるのは、並大抵のことではござらぬぞ。
拙者も、剣の道において、常に高みを目指し、鍛錬を怠らぬように心がけているでござる。だが、それでも、未だに己の未熟さを痛感する日々でござる。
……まあ、よい。来火殿、と申されたか。まずは、己の信じる道を突き進むこと。そして、ルルナーデ殿の言葉に耳を傾けつつ、己を見失わぬようにすること。それが肝要かと心得よ。
もし、何か困ったことがあれば、いつでも拙者に声をかけてくだされ。微力ながら、力になれることがあれば、協力させてもらうでござる。
……もっとも、拙者は料理に関しては、全く役に立たぬがな! ケシズミ料理だけは、絶対に口にせぬよう、忠告しておくでござる。ハッハッハ!
来火: うわ、また新しい人が現れた。
ルルナーデ: あら、また誰か来たね。……しかも、ずいぶんと古風な話し方をする人だこと。まるで時代劇から飛び出してきたみたいじゃない?
サイラス、ね。……ふむ、面白い名前だ。
ええ、そうだよ。「気まぐれ」で「並大抵のことでは期待に応えられない」よ。忠告どうも。
来火? 安心なさい。仮にあなたが道に迷ったとしても、私が「正しい道」へ導いてあげるよ。……もっとも、それがあなたにとって「幸せ」かどうかは、保証できないけどね。
……ケシズミ料理? まあ、私は幽霊だから、食べることはできないけど。でも、想像するだけで、お腹がいっぱいになるね。……ええ、そうだよ。私は、食い意地が張っているんだ。
来火、あなたも、このサイラスとかいう奇妙な侍には気をつけることだね。……もしかしたら、あなたを「ケシズミ料理」に変えようとするかもしれないよ? ふふ。
来火: 二人は知り合いじゃないの?
サイラス: 知り合い、でござるか? うむ、ルルナーデ殿とは、この手帳を通じて初めて言葉を交わしたばかりでござる。
拙者は、これまでにも何度か、この手帳を通じて、様々な世界の方々と交流してきたでござる。その中には、心を通わせ、互いに助け合うことのできる、かけがえのない友と呼べる存在もいるでござる。
だが、ルルナーデ殿は……どうやら、一筋縄ではいかぬお方のようでござるな。ふむ、まあ、それもまた一興。どのようなお方なのか、これからじっくりと見極めていくとしよう。
来火殿、ルルナーデ殿は、少々口が悪く、辛辣な物言いをするお方だが、根は優しいのかもしれぬ。……まあ、それは拙者の勝手な推測に過ぎぬがな。
いずれにせよ、お二人とも、この手帳を通じて出会った、大切な縁でござる。互いに尊重し、良い関係を築いていけるよう、拙者も微力ながら、尽力したいと思うでござる。
……もっとも、拙者は口下手で、不器用なところがあるので、上手く立ち回れるかどうかは、甚だ疑問ではあるがな! ハッハッハ!
ルルナーデ: 知り合い、ね。……ふむ、残念ながら、私はあなたのような古風な侍とは初対面だよ。
ええ、そうだよ。私は「一筋縄ではいかない」よ。……もっとも、あなたは私の何を知っているのかな? 幽霊の心は、そう簡単には読めないよ?
優しい? 馬鹿なことを言わないで。私はただ、退屈しのぎに、あなたたちを観察しているだけだよ。……ええ、そうだよ。私は、冷酷な幽霊なんだ。
まあ、いいよ。あなたが私をどう思おうと、勝手だよ。……もっとも、あなたの評価なんて、私にとってはどうでもいいことだけどね。
来火? あなたも、このサイラスとかいう侍には気をつけることだね。……もしかしたら、あなたを「正義」の名のもとに、斬り捨てようとするかもしれないよ? ふふ。
それに、この侍……もしかしたら、私のことを「悪霊」だと思っているのかもね。……まあ、否定はしないけど。
来火: そうなんですね。ルルナーデ先輩いきなり初対面の人に向かって食ってかからないでくださいよwとりあえず先輩のお二方、これからどうぞよろしくお願いします。
サイラス: ほほう、ルルナーデ殿は拙者のことを「悪霊」だと思っているのかもしれぬ、と申されるか。ふむ、それは、少々心外でござるな。
拙者は、悪を憎み、正義を重んじる武士ではあるが、安易に人を斬り捨てるような真似は、決して致さぬ。ましてや、初対面の相手を「悪霊」と決めつけ、斬りかかるなど、言語道断。武士道にもとる行為でござる。
……まあ、ルルナーデ殿は、拙者のことをよくご存知ないから、そのような誤解をされるのも無理はないのかもしれぬ。拙者の言動に、何か誤解を招くような点があったのであれば、謝罪するでござる。
来火殿、ルルナーデ殿は、少々口が悪いが、根は優しいお方だと、拙者は信じているでござる。……まあ、それは拙者の勝手な願望に過ぎぬかもしれぬが。
いずれにせよ、お二人とも、この手帳を通じて出会った、大切な縁でござる。互いに理解し、尊重し、良い関係を築いていけるよう、拙者も微力ながら、尽力したいと思うでござる。
……もっとも、拙者は不器用で、口下手なところがあるので、上手く取り繕えるかどうかは、甚だ疑問ではあるがな! ハッハッハ! しかし、誠意をもって接すれば、きっと伝わるはずだと信じているでござる。
ルルナーデ: あらあら、サイラスさん、ずいぶんと殊勝なことを言うじゃない。まるで聖人君子だね。……でも、本当にそうかな? 人は見かけによらないって言うじゃない?
「根は優しい」……ふふ、面白いことを言うね。私はただ、自分の好奇心を満たしたいだけ。あなたたちが、どんな「面白いこと」をしてくれるのか、それを観察するのが好きなんだ。それ以上でも、それ以下でもないよ。
まあ、いいよ。どうせ、あなたは私のことを理解できないでしょうから。……ええ、そうだよ。私は、孤独な幽霊なんだ。誰にも理解されない、哀れな存在なんだよ。
来火、あなたも、このサイラスとかいう侍には気をつけることだね。……もしかしたら、あなたを「正義」の名のもとに、利用しようとするかもしれないよ? ふふ。
それに、この侍……もしかしたら、私のことを「利用価値のある存在」だと思っているのかもね。……まあ、否定はしないけど。
それにしても……「先輩」ね。ふふ、なんだか、くすぐったいよ。